2020年冬アニメ 「22/7」の感想 その1

 

TVアニメ「22/7」の放送から1年が経った。改めて視聴して、放送当時思ったこと等や新たに感じたことがあればそれも含めて簡単に書いていこうと思う。ナナオンやコミカライズについては触れない予定。

 

#1 さよなら私のささやかな世界

  

 OPは「ムズイ」。OP映像は各個人回から要素を拾っているようにも見えるが苦しいので割愛。ラストは上野公園の西郷隆盛像付近に集合。

 G.I.P.から届いた封筒を見てすぐに芸能プロダクションからのものと分かる洞察力。それはさておき、この封筒には集合場所として指定されている東京動物園(現実世界では上野動物園に当たる位置に存在する)の入場券が同封されていた。もぎ取られる部分には"pass"の記載があったが、これがこの動物園において特別なものなのか一般的なものなのかは不明。

 場面は動物園のゴリラ檻の前に。滝川は初めてあった藤間からオーディションのために全国のかわいい子に声をかけているという話を聞く。「やっぱり来るんじゃなかった」と自分に自信がない滝川は後悔するが、藤間は滝川のお肌すべすべで真っ白で足もスラッとしていると容姿を褒める。かわいい子を集めているという話の流れで滝川もかわいいという話をしたのであるが、自分の話を聞いて落ち込んだ滝川をフォローするためなのかどうかは不明。仮にフォローのための発言であるならば、もう少し間が会ったほうが良かった。この後に立川の脚も褒めているので単にそういうキャラクターであるというのが自然か。

 なお、このシーンについてはリケ恋と比較して内面に踏み込んで褒めていない点で劣っているという趣旨の評があったが、リケ恋は長年の想い人に対する告白の流れであったものであるの対し、上述の通り、初対面のオーディションに参加する(と思っていた)者に対するものであり、比較としては成り立たない。

 そもそも、初対面の人物の内面を会って数分で褒めるというのは不自然で、褒められた方も困惑するのでは? また、容姿の話題で落ち込んだ者に対するフォローであるならば、内面を褒める必要性はないので。「仲良くなれそうな子がいて良かった」を内面に対する評価をみることもできる。

 次の戸田と佐藤のじゃれ合いについては……。戸田の手の指に巻いてある包帯が左から右に移ったが包帯を巻いていることの説明は特になかったので不明。丸山、立川、斎藤、河野とメンバーが次々集まり、マネージャーの合田が現れる。

 動物園内の構造物からそのまま地下にあるG.I.P.の施設に移動する。動物園にある時点で動物園の運営者とG.I.P.の設立者は同一か緊密な関係にあることが推察される。最下層の”壁”のある部屋に行き、指令を吐き出されたところを見たことがないという合田。見たことがないのは合田を含めたG.I.P.のスタッフだけなのか、上部の人間も含めてなのかは不明。

 滝川の帰宅シーンは何故か東京駅から。

 店長とやり取りするシーンの雪かきのたとえは国内外の反応を見たところ、納得している人もいればよく分からないという人もいて、もう少し良い例え方がなかったかなと思う。

 バイトをクビになって電子ピアノを売った帰り道、川岸の柵の影がピアノの鍵盤様になっているのは正直微妙。「……つきたくない嘘をつきたいだけつく」は白眉。

 私の世界が平和ならそれで世界は平和。母親と妹が世界のすべて。その世界を守るためにはやりたくないことをやるという決意で"壁"に電源が入って終わり。8人が集められた本当の理由と壮大な運命の渦中、22/7の存在の意味は最後まで判然としなかった。

 EDの「空のエメラルド」は個人回にキャラソンを流した関係で放送された回数は少ないものの、22/7の全楽曲の中で屈指の名曲だと思うので、惜しかったなと思う。

 

#2 めまいの真ん中

 #1と#2で一つのエピソードとなっている。"壁"の挨拶と審査会のプレートが吐き出される。寮等々の説明が行われる。「"壁"は絶対」

 2ndシングルの「シャンプーの匂いがした」がダンスの課題曲。母親から連絡が来て400円のたいやきの話が出る。

 審査会が始まって色々ダイジェストで流れて滝川の番。色々駄目で終わる。みんな準備不足で審査会の意味ないじゃんというところで斎藤の番。歌が凄いという演出があるが、これは歌唱力というよりも表現力が凄いというものか。しかし、まともな準備期間もなくアフレコ等を行う事となった河瀬には荷が重い演出であったし、斎藤を担当していた花川にとっても荷が重い演出であったであろう。2021冬クールアニメのアイプラでもあった演出であるが、歌唱が凄いという演出は演者の演技力、歌唱力に依存するところが大きく、キャリアが浅い者には厳しそう。

 センターは滝川という指令が出て、不満が続出。センターでいいのか、嫌われてしまっはやっていけないと感じたのか練習には参加せず、バイト探し。滝川が戻らず、追加の指令がない場合、グループの未来は保証できないというが、解散の指令が出ない限りG.I.P.の独自判断でグループを終わらせることは出来ないのでは?

 藤間による家庭訪問。小さいときのことはよく覚えていないという滝川。自分も活動に迷いがあったが滝川の姿を見て決心をしたという藤間。私たちのことは気に病まないで決断してほしいと言う。このやり取りは6話の佐藤と丸山のやり取りに通じるものがある。斎藤以外のメンバーが出てきて、みんなが心配していたことを知る。「立場には責任が伴う」という佐藤の言葉は6話の伏線的なセリフ。滝川は高いたいやきを買うのに迷いがない日給が入ったこと、メンバーに嫌われてないことが確認できたこと等によりレッスンに復帰。斎藤の「あなたにそれほど興味がない」の趣。滝川母に招待状が届き、#3に続く。

 

EDのスタッフクレジットについて

TVアニメ「22/7」のスタッフクレジットには他のTVアニメではあまり見ない表記があり、気になったので一言。

 このアニメも製作委員会方式で制作されているもので「ANIME 22/7」という表記になっている。幹事社のアニプレックス、22/7のリアルメンバーの所属会社でアニプレックスソニー・ミュージックレーベルズ代表社員となっているバズウェーブ、アニプレ作品の製作委員会に度々顔を出す、放送局のABCアニメーション朝日放送傘下)、TOKYO MX、メ~テレ、BS11にコミカライズを担当した小学館。それぞれの会社の社長やアニメ担当部門の役員等が「企画」としてOPにクレジットされているのは他のアニメでも同じであるが、一般にプロデューサー格としてOPにクレジットされている人物の他にもそれ以下立場で作品に関わっていると思われるアニプレスタッフ(他のアニプレ作品では海外ライセンス担当となっている者等)、バズウェーブ所属となっている22/7マネージャー等を「ANIME 22/7」という製作委員会の項をわざわざ立ててクレジットしているのは異様に思えた。劇場版アニメでは一般的なものではあるが……。

 22/7のシングルのジャケットに記載されているスタッフの一覧でプロデューサーとなっている佐野弘明、中村隆志、磯野久美子(Y&N brothersとして)らや22/7のA&Rである小山祐誠が「企画協力」としてクレジットされているのも妙な感じ。

 

 

その2

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